コーキングにひび割れがある

コーキングとは、外壁材と外壁材のすき間（目地）を埋めるために充填される弾力性のある樹脂材で、雨水の侵入を防ぐ防水機能や、建物の揺れや温度変化による膨張・収縮を吸収する役割を担っています。しかし、このコーキングが経年劣化により硬化したりひび割れたりすると、防水機能が失われ、雨水が外壁の内部へと侵入しやすくなります。その結果、外壁の下地や断熱材が湿気を帯び、腐食やカビの発生、シロアリ被害などの原因となることがあります。また、建物内部の構造材にまで影響が及ぶと、大掛かりな補修が必要になる可能性もあります。見た目には小さなひびでも、放置しておくと建物全体の耐久性や寿命に大きく関わるため、早期の点検と補修が非常に重要です。定期的なメンテナンスが建物を守る第一歩です。

屋根にコケやカビが生えている

屋根にカビやコケが発生している状態は、屋根材が常に湿気を帯びていることを示しており、屋根の劣化が進んでいるサインです。特にスレート屋根やセメント系の屋根材は表面がざらついているため、水分が溜まりやすく、カビやコケが繁殖しやすい環境となります。これらの微生物は根を張ることで屋根材を傷め、防水性能を低下させ、最終的には雨漏りの原因になります。また、湿気が屋根裏にまで及ぶと、木材の腐食や断熱材の劣化、カビの胞子による健康被害にもつながる可能性があります。さらに、見た目の印象も悪くなり、建物全体の美観を損ないます。屋根の高所部分は普段目にすることが少ないため、気づかないうちに被害が広がっていることもあります。定期的な点検と清掃、必要に応じた防カビ・防藻処理を行うことで、屋根の寿命を延ばし、大切な住まいを守ることができます。

外壁に触ったら手に塗料がつく

外壁に触れた際に手に白い粉のようなものが付着する現象は「チョーキング（白亜化）」と呼ばれ、塗膜が紫外線や雨風により劣化している証拠です。塗料に含まれる樹脂成分が分解され、顔料が粉状になって表面に現れることで発生します。この状態になると、塗装本来の防水性や保護機能が大きく低下し、外壁材が雨水や湿気を吸収しやすくなります。その結果、カビやコケが発生したり、外壁の膨れや剥がれ、さらに内部構造への浸水による腐食や断熱材の劣化が進行する恐れもあります。また、建物の外観が色あせて見えるため、美観を損ねる原因にもなります。チョーキングは再塗装のタイミングを見極めるサインの一つであり、放置せず早めに対処することで、建物の劣化を防ぎ、資産価値を維持することができます。定期的な点検と適切なメンテナンスが重要です。

外壁にひび割れができている

外壁にひび割れ（クラック）が見られる場合、それは建物の劣化が進行しているサインです。ひび割れには、表面の塗膜に生じる「ヘアークラック」から、下地や構造部分にまで及ぶ「構造クラック」までさまざまな種類があります。小さなひび割れでも、そこから雨水が浸入することで外壁材や内部の断熱材が湿気を帯び、腐食やカビの発生、さらにはシロアリ被害の原因になることがあります。特に構造クラックの場合は、建物の耐震性や安全性にも影響を与える重大な問題に発展する恐れがあります。また、凍結や乾燥による伸縮を繰り返すことでひび割れが拡大することもあり、早期の発見と補修が不可欠です。ひび割れを放置すると、修繕費用が大きく膨らむこともあるため、定期的な点検と専門業者による診断・補修を行うことで、建物の寿命と資産価値を守ることができます。