樹脂に何を使うかによって塗料の種類が異なる
一般住宅の塗り替えで最も使われるのは水性塗料です。
しかし、一口に水性塗料と言っても、その中にはたくさんの種類が存在して、特性やメリットが異なります。
特に塗膜を作る樹脂成分の違いは、仕上がりや耐久性などに大きな影響を与えますので、塗料選びの際には最も注目すべきポイントとなります。
水性アクリル系塗料
水性塗料の中でもポピュラーなのがアクリル樹脂をベースとしたものです。
扱いが楽であることや、原料費がそれほど高くないということで、一般住宅用の塗料として以前は最も使用頻度が高いものでした。
アクリル樹脂にもいろいろなタイプがありますが、アクリルエマルジョンと呼ばれるものが多くなっています。
良質の塗膜を張ることができますし、結合力が強いのでしっかりと壁面などに密着してくれるというメリットを持っています。
価格もそれほど高くないので、多くの塗装店がアクリルエマルジョン塗料を採用しています。
ただし、耐久性は中程度というところで、価格がとても安いものだとさらに耐久性が落ちることもあります。
水性ウレタン塗料
ウレタン系の樹脂を使っている塗料で、アクリルポリオールと呼ばれる原料を使った商品が主流です。
この塗料はウレタンとアクリルの良いところを混ぜたような塗料で、アクリルウレタン塗料と呼ばれることもあります。
ウレタン系の塗料の全体的な特徴としては、耐候性が高く寒い地域でも暑い地域でも長持ちするというメリットがあることです。
また、厚みのある塗膜を張って、光沢も出るので仕上がりがきれいになるというのもこのタイプの良いところと言えます。
水のみで薄めることができて、とても扱いやすいですし臭いも少ないので、環境に優しいというのもメリットとなります。
ただし、アクリル系の塗料に比べると多少価格が高くなる傾向にあります。
水性シリコン塗料
ベースになる樹脂成分がシリコンのものですが、全体的にとてもバランスが取れていていろいろな用途に用いられるのが特徴です。
特に他の塗料に比べて耐熱性、耐候性が強いというのが大きなメリットとなります。
気候の極端な変動にも耐えることができて、日本の風土に合った塗料とも言えます。
加工のプロセスによって、いろいろな特性を持った塗料にできるため、建材に合わせて塗料を作れるというのも特徴となっています。
ちょっと値段が張る商品もありますが、とても質の良い塗料が多いのでそれだけの価値があると言えるでしょう。